『Osakana「あな場」』や『クワガタ探偵団』関連で、大変お世話になった叔父である荻原晏治氏が、6月15日未明になくなりました。わさび作り、養蜂一筋の人生でした。わさび作りは、井伏鱒二の『わさび盗人』で言及されてる「わさび名人」のモデルの直系の子孫(息子)です。わさびは辛いものではなく、甘い香りと味わいのなかでピリッとする、それが一級品のわさびです。通夜のおり、出された食事にそえられたわさびです、おろしているとなんともいえないわさび特有の香りがします。この天城のわさび、どこくらい「甘い」か!小学生のころ、暮れの餅つきに居合わせました。つきたても餅をその場で食べるのに大根おろしで「からみ餅」というのがあります。このからみ餅がここでは大根ではなくわさびです。どんぶりにわさびが山盛りにすられています。これを餅にのせ、醤油をたらして食べるわけです。小学生の僕は、辛いから食べることをためらっていると、祖父さん(これがわさび名人のモデルと思われる亀之介)が「食べてみろ」というので、恐る恐る食べてみると、なとんと「甘い」、辛さは醤油の辛さだ!確かに食べ続けるとわさびの「辛さ」もそれなりにあるのですが、小学生が食べられない辛さの類ではないのです。
通夜の当日、いとこがわさびをおろしているビデオクリップです。香りは伝わりませんが、独特の色合いは分かると思います。チューブの「生わさび」と色を比較してみてください。もちろん、色だけでなく、味も、香りも別物です。
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