鹿児島大の第2問。
The rhesus macaque is the unsung hero of the maternity ward. In 1940, Nobel laureate
①Karl Landsteiner and his student Alexander Weiner discovered in this monkey a blood protein they called the Rh (for Rhesus) factor. Researchers soon found the Rh factor in some but not all humans and realized that a mother could react immunologically against the factor in her fetus. Now a simple test and a vaccine prevent that reaction-and resulting mental retardation or even death in about 20,000 U.S.newborns a year.
Thanks to Landsteiner, the Rh factor was among the early contributions that this 60-centimeter-tall monkey made to human health. More recently, the macaque has revealed new insights into disorders as diverse as AIDS and depression.
問題1.
下線部①の二人の功績について、本文に即して日本語で150字以内にまとめなさい。
ということで、ほとんど既知だと思いますが、この二人がRh因子を発見した、ことが「功績」ですね。それを本文に即してどうまとめるか、です。
このことだけでは150字にはならないので、あとをどう書くか。ここで、Researchers soon found…以下の内容を彼らの「功績」にしてしまうとアウト。また、この文では、アカゲザルが‘hero’つまり話題の中心であることを常に意識しべきでしょう。
第1段落では、二人のRh因子の発見は、異常を起こす新生児を救う道を開いた、という点で二人の功績に繋がるでしょう。
第2段落。アカゲザルが人間の健康に貢献することになるが、その初期の貢献に位置づけられる、ということで、アカゲザルに注目したことも功績に含まれるともいえるでしょう。ただ、ここからアカゲザルが「主役」として語られることになり、二人の功績をまとめる場合も、その方向性が出る書き方ができればベストです。
悪い書き方としては、
「ノーベル賞受賞者であるKarl Landsteiner and Alexander Weinerは、アカゲザルにRh因子を発見した。さらに試験やワクチンを開発し、年間20000人ものRh因子を持った胎児を救うために貢献した。また、この発見は人間の健康への貢献としては初期のものであった。」
これでは〇点でしょう。ただ、こういう答案を書く人のなかには「結構できた」と感しる人がいませんか。字面はなんとなく書いてあることが並べられていますが、実際はまったくちがっていることがお分かりかと思います。
ただ、上記の「答案」は満点に逆転できるものです。事柄をしっかり整理すれば、満点になります。つまり、二人が「試験やワクチンを開発した」のではなく、こういう事実に大きく貢献したというように、「本文に即して」かけばよいのです。後は、胎児がこの因子を持ったときに母親が「免疫学的に反応する」点(これはみなさんならお手の物!?)を書きこむ。さらに「初期の貢献」は確かに二人を介しているがこれはアカゲザルの貢献であること。
この2点のはっきりかけば、〇点の答案は満点の答案になりますね。
昨年の旭川医大の英語の問題。(以前にこのブログで取り上げたので参照してください)
「自分が理解できたというのは、その事柄を正確に他者につたえられなければ理解できたとはいえない」という内容の指摘がありました。その意味で上記の「答案」例は、「独りよがり」の答案ですね。せっかく、ある程度英語の理解が進んでもこれでは試験の結果は出てきません。
旭川、大分、山口、鹿児島、弘前、長崎で涙をのみ、今後の試験を受ける方々、さらなる踏ん張りを!そして、かならず、不合格になった試験の問題は丁寧にやり直しましょう。
上記の指摘も参考にしていただければ幸いです。
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