5月末に始まった医学部学士編入試験を受け続けた人たちは、ここである程度結果が出たのではないでしょう。合格を勝ち取れなかった人々は、今年の残りの試験に挑戦するか、来年に向けて準備を始めるか(2~3月の一般入試も含む)、受験をあきらめるか、というあたりで思案しているのではないかと思います。
状況は個々に異なると思います。ただ、ここまで落ちまくった人は、小手先の「対策」ではなく、これまでの勉強の在り方そのものを見直すことをお薦めします。「客観テストなら得点できるのだが・・・」とか「訳ならできるが、説明や要約を求められるとうまい日本語にならない」などと言う人が多いです。しかし、まず自らに問うてみてください。
『自分は果たして英語が読めているのか』と。
「読めている」といっても、それは何の不明点もなしに読める、というのではなく、疑問点、不明点を認識しつつも、論点が読み取れている、ということです。一次を突破できない人の多くは、疑問点、不明点をしっかり押さえずに訳してしまっているように思います。論点がしっかり押さえらえていないから、合格できる答案が書けないのです。結局何度受験しても合格できない、ということになります。
英文を読んで疑問点、不明点をしっかり認識できない原因は、人によって異なります。ただ、一つ言えそうなのは、提示された英文を訳している人だ、ということです。訳をあてることで内容が読み取れたと思い込んでいるのですね。
しっかり読んでいなければ、説明も要約も人に伝わるようには書けません。読めなければ、うまい「書き方」も「まとめ方」もできようがありません。別に、「うまい」答案など書けなくても、意味を伝えていれば、ぎこちなくても合格します。それだけ訳の分からない答案が多い、ということだと思います。
今一つ。最近よく出会うのは、自分が「分かる」と思い込みたいためなのか、勝手にバイアスをかけて、「理解」してしまう人たちです。この人たちに共通するのは、疑問点、不明点を指摘できない、あるいは「質問はないか?」と聞くとアリバイ的な質問しかできない、という傾向があります。たとえば、「この単語のニュアンスがわからない」とか「この不定詞は○○的用法ですか?」などなど。ニュアンスは文脈で把握するもので、その単語の「ニュアンス」だけが問題になることはありません。また、文法の「用法」など言えなくても、文章は読めます。どちらにしても、文章が読めていない、ということです。
ここまで「読めない人」「読まない人」についてお話しましたが、困るのは、そういう人は自分の現状を分かっていない、あるいは認めようとしないことです。頑固なのか、頭が固いのか、あるいは自信過剰なのか・・・・
そういう人(といっても自覚がなかったり、自分を絶対化したりで、困ったことなのですが)は、よく自分を見つめなおし、上記に該当するようであれば、目を少し先に向けて、学習の姿勢を改め、今の自分の現状を「解体」して、自分の弱点を克服してゆくことが大切かと思います。
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