8.志望動機もばっちり書けた
もう時期的に提出を終えている場合も多々あると思いますが、「志望動機」につきあっていて、気になる点をお話しすることにします。
問題を感じる記述:
1.これまでの自分の仕事、研究に限界を感じるという記述
2.「業績」のオンパレード
3.受験大学の「理念」をヨイショする
4.これから「学ぶ」場に身を置くのに医療の現状を批判して理想を語る
5.リアリティがないのに人から受け売りで文章を書く
1.これまでの自分の仕事、研究に限界を感じるという記述
これは、看護師、保健師、薬剤師の人がよく書くことです。医師と日常的にみているので、医師の指示にいつも従っている立場に「限界」を感じるのでしょう。しかし、医師になればなったでその現状に常に「限界」を感じることになるのではないでしょうか。どの職業でも必ずなんらかの制約のなかで生きることを強いられるのです。ですから、今までの職業や研究テーマをネガティブに記述してはまずいでしょう。そして、それは単に記述の問題ではなく、これから医者になろうとする人間として、これまでの経験をポジティブに活かしていくことを実感できるところまで認識を深める思索をすべきだと思います。このあたりも「書き方」を工夫うするのではなく、認識した「中身」を書くべきです。
2.「業績」のオンパレード
「業績」ちゃらちゃらの文章は読むに堪えません。たとえ誰がみても立派な業績でも、あくまで謙虚にとらえること。、つまり「はずかしながら、この程度のことをやってまいりました」という実感と姿勢が伝わる業績に記述の仕方をすべきでしょう。そうでないと、面接官からちょっと突っつかれると、浅知恵で対応しようとすると即座に破綻してしまいます。
3.受験大学の「理念」をヨイショする
もっとも笑ってしまう記述。AO入試が広く行われるようになり、面接で必ず志望動機に大学の「理念」を挙げる受験生がいるといいます。面接官の教員が「えっ?!そんなのあったっけ」というような文言を元気に答えるのだろうです。また、学士編入の受験生の話では、そういうことが面接マニュアルに書かれているのだそうです。就職試験では企業に忠誠を誓う、ということである程度効果があるかもしれません。また、余裕で合格するような人は破たんなく書いておけば問題ないかもしれません。しかし、もし、筆記でボーダーにいるような人はやめた方が賢明です。誰でも書くのですから、それでは差がつきません。では、代わりに何を書くかというと人によって異なると思います。ただ、大雑把にいってしまえば、自分の個性を謙虚にアピールできることを書く、ということでしょうか。
4.これから「学ぶ」場に身を置くのに医療の現状を批判して理想を語る
確かに医療の現状は様々な問題を抱えているのは事実です。そして、そういう現状に立ち向かうために医者になろう、ということで学士編入で大学に入りたいのでしょう。気持ちはよく分かりますが、受けうりで理想を語るとやはり「幼稚」と感じることがほとんどです。何を学ぶか、という姿勢で問題をとらえて、かいていくことが大切です。
5.リアリティがないのに人から受け売りで文章を書く
自分でそれほど問題を感じないのに、「指導」で定式的な書き方を提示されたり、受験生仲間との情報の交換で得たことで、人からの受け売りで書いたものもよく見かけます。何より、自分でしっかり考えて、それをもとに面接でもそれなりに対応できることを書くべきです。
とりとめがなくなりましたが、今後の参考にしてもらえれば幸いです。