医学部を目指し、Natureなど科学・医学記事を英語で読む

来年の学士編入試験へのウォーミングアップとして

今年(2017年）の岐阜大学（医学部・前期）で取り上げられた英文です。読みやすいので一気に読んでみましょう。

Eske Willerslev Is Rewriting History With DNA

By CARL ZIMMER MAY 16, 2016

時間があったらコメントします。

5/25 最新記事から

最近記事から３つ紹介します。

スマホからのアクセスを考えて、QRコードを併記しておきます。

NEJMから二つ：

NEJM
Perspective
Undermining Genetic Privacy? Employee Wellness Programs and the Law
Kathy L. Hudson, Ph.D., and Karen Pollitz, M.P.P.
May 24, 2017DOI: 10.1056/NEJMp1705283
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1705283?query=featured_home

Sharing Clinical and Genomic Data on Cancer — The Need for Global Solutions
The Clinical Cancer Genome Task Team of the Global Alliance for Genomics and Health
N Engl J Med 2017; 376:2006-2009May 25, 2017DOI: 10.1056/NEJMp1612254
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1612254

Nature
Drop in cases of Zika threatens large-scale trials
Studies are struggling to recruit participants following a marked drop in cases of the virus.
Declan Butler
24 May 2017
http://www.nature.com/news/drop-in-cases-of-zika-threatens-large-scale-trials-1.22032

 

Nature最新号

Nature最新号
Volume 538 Number 7624 pp140-284

いろいろ興味深いテーマがあります。

The troubled minds of migrants

「移住」はしっかり考えるべき問題が様々にあります。

A radical revision of human genetics

25年度実施、鹿児島大学医学部学士編入試験について---3---

遅くなりました。取り急ぎコメントしてみたいと思います。

なお、問題２以降は、ワンポイントコメントにさせていただきます。

問題1．下線部１）はBRCA遺伝子の特許権についてどのように主張しているか、本文に即して日本語で100字以内にまとめなさい。

コメントします。

以下の箇所に関連事項が書かれています。

whether DNA sequences patented by 1)Myriad Genetics Inc. of Salt Lake City are human inventions, as Myriad claims. If not, the court could rule that they are "products of nature"

Myriad's claim that "isolated" BRCA genes are laboratory products and that, unlike chromosomes, they do not occur in nature.

平均的な受験生は、これを訳して答案を書こうとします。しかし、完璧にできてやっと滑り込み及第、という答案になりがちです。それは可能であればいいのですが、満点にはなりませんし、訳語を一つ取り違えたりすると得点なし、もありえます。

整理すべきは、以下の3点：

１．BRCA遺伝子は、特許権取得の対象になる

次に、

２．laboratory productsであること
これを「研究の産物」「研究の成果」「研究施設で発見されたもの」などと訳すとあいまいになってしまいます。必ず、human inventionsであることもあわせて言及すること。

上記の二点をまとめれば及第だが、

３．they do not occur in naturも補足的に言及する。

先に抜き出した箇所で、 "isolated"とquotation marksがついていること、, unlike chromosomesは注意すべき。前者はMyriadの認識ではないこと、後者は以下で具体的に言及されている事柄なので、文全体の視野にたちもどって取り上げないと唐突な印象を与えてします。

ということで、７０～８０字でまとめられるのではないでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。

鹿児島大学医学部学士編入試験問題（英語）について

タイトルの入試問題（英語）について、今年度の入試日（6/14）まで、4回（今回を含めない）にわけて、25年度実施の英語問題についてコメントしてみたいと思います。

まず、以下の鹿児島大のサイトから出典、設問情報を入手してください。提示文については、過去問題を入手するか、2番のScienceのサイトから入手してください。入手の容易さから、2番からコメントします。

http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~gakumu/nyugaku/13TEST_2.pdf

まず、設問についていつも質問されるのは、答案を作る際「字数制限」どうするか、ということです。一番多いのは「～以上は書かなくてはいけない」がどうするか？というもの。もちろん、きちんとした内容で制限字数に近い記述ができればベストです。しかし、字数は埋められても内容が問題があっては零点になる場合もあります。余計な情報、繰り返しなどカサまし記述が多いからです。

まずは、字数が少なくても核になる内容をきちんと記述することです。ポイントがまとまっていれば、150/250で十分。100字であっても、分かり易くまとまっていれば及第です。

自分の英語力にみあった「量」があります。

受験生のほとんどが、間違った内容を250字書いているのですから、内容が正しければ、字数にこだわる必要なし、ということです。

一週間後をめどに、2番についてその問題の英語、設問にコメントします。

ちょっと古いが、『エンハンスメント』について

著者は、Sandel's legendary 'Justice' course（Harvard Univ.）のMICHAEL J. SANDEL一読の価値はあると思います。
The Case Against PerfectionWhat's wrong with designer children, bionic athletes, and genetic engineeringBy MICHAEL J. SANDEL　http://www.theatlantic.com/magazine/archive/2004/04/the-case-against-perfection/2927/

同名の著作より、数年前に書かれた論文。
著作kindle版：

The Case against Perfection: Ethics in the Age of Genetic Engineering [Kindle Edition]　http://www.amazon.com/The-Case-against-Perfection-ebook/dp/B002KFZF08/

THE HUMAN GENOME AT TEN

ヒトゲノム配列が発表されて今日で10年、Natureでも特集のページを提供しています。
THE HUMAN GENOME AT TEN：

http://www.nature.com/news/specials/humangenome/index.html

なお、この中で、この特集と題名になった昨年3月のeditorial”THE HUMAN GENOME AT TEN”は、一般入試（国公立後期）対策としてもで精読しておく価値はあると思います。

http://www.nature.com/nature/journal/v464/n7289/full/464649a.html

20年の愛媛大学の出題英文

この9月から始まった予備校（kals）の講座のテキストに掲載されていましたが、無料で提供されていたNatureの記事であったことと、テーマとして精読に値するものだったので、掲載時[2008.4]に本講座の受講生にはしっかり読んでもらった文章でした。今でも一読に値するので、まだ読んでない方は是非読んでみてください。また、ざっと読んだことがある人も是非再度読んでみるとよいと思います。

http://www.nature.com/news/2008/080326/pdf/452406a.pdf

出題文はぶつぶつにカットされています。受験した方、予備校のテキストで読んだ方などは問題文だけでなく元の全文を読んでみることをおすすめします。二つを比較しても見えてくるものがあると思います、愛媛を受ける予定のない人にも。

6/22 大分大学は的中でした。

大分大の学士編入試験では、遺伝子治療関連のテーマで課題の核にした記事がそのまま出題されました。
この記事以外にも記事やサイトを読み、さらにビデオ[Sceinceの記事に併載されたもの]まで観て内容をチェックしました。実験を説明する設問にはしっかり対応できたはずです。
大分大の試験では以前も課題にしたScienceの記事が的中したのですが、書類選抜（1次）で不合格だったので活かすことができませんでした。
今回は、2月から提出する文章を繰り返し書き直し、しっかりした文章ができたので突破でき、2次に臨めたので、なにがしかの助けになったと思われます。

同じ研究について指導で取り上げた記事は以下の三つ。
（遺伝子の導入に仕方、治療成果の確認テストのやり方など参考になるので、是非一読してみてください。）

出題された英文：
News:
Colour blindness corrected by gene therapy
16 September 2009,Nature
http://www.nature.com/news/2009/090916/full/news.2009.921.html

課題として取り上げた記事：
ScienceNOW:
Gene Therapy Gives Monkeys Color Vision
By Gisela Telis
16 September 2009,Science
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2009/09/16-01.html?rss=1

UWの大学サイト
Gene therapy used to successfully treat color blindness in adult monkeys
http://uwnews.org/article.asp?articleID=52015

子どもに対して行われた視力回復の遺伝子治療の記事もこの時期（昨年末）に読んでいます。

このようにしばしば的中もでるのですが、的中とはならなくても医学部学士編入試験で狙われるテーマを絞り込んで課題にし、理解を深めているので、何らかの形で試験の際、助けになっているようです。

1年程度本講座に参加していただけると、出題されるほとんどのテーマをカバーできます。